アナウンサーなのに“コミュ障”?意外な出発点に親近感
『コミュ障は治らなくても大丈夫』は、ニッポン放送のアナウンサー・吉田尚記さんによる、コミックエッセイ形式の会話術本です。
しかも、漫画は水谷緑さん。柔らかく親しみのあるイラストで、会話にまつわるもやもやや悩みがスルスルと読み進められます。
読み始めてまず驚いたのは、「えっ、アナウンサーがコミュ障だったの?」という点。人と話すのが得意な職業だと思っていたので、意外すぎました。
でも、その“意外性”こそがこの本の魅力の一つ。失敗談から始まるからこそ、読者も「私でも変われるかも」と感じられます。
会話が続かない…その悩みに効く「具体的な技術」
私自身、「会話が続かない」というのが長年の悩みでした。
この本では、そんな人に向けて、すぐに使える“実践的な技術”が丁寧に紹介されています。特に印象に残ったのはこのポイント。
- 相手の話を聞き、返したら質問する
→ 質問は「なぜ」より「どうやって」がおすすめ。 - 相手が困るかな…という思い込みは不要
→ 心は読めないもの。気軽な気持ちで話していい。 - 会話の“間”を2秒以上空けないようにする
→ ゲーム感覚でテンポよく質問するのがコツ。
これらのアドバイスは、どれも気軽に試せるものばかり。特に「質問の仕方」に関する気づきは大きく、私は今まで「聞いたら迷惑かも」と考えすぎていたことに気づかされました。
「話題がない」ではなく「話題は後から見つかる」
会話をしていて気まずくなるのは、話すことがなくなったとき。
でもこの本では、「会話は続けていれば得意な話題にたどり着く」と教えてくれます。
つまらない話題でも、続けるうちに相手との“接点”が見えてくることもある。
そして何より、人と話すことで、自分では考えつかなかった意見や価値観に出会えるチャンスがあるのです。
誰にでも好かれる必要はない
「合わない人もいる。それは仕方のないこと」
この一言も、とても救われました。
会話が苦手だと、「変に思われたらどうしよう」「嫌われるかも」と不安になりがちですが、そもそも万人に好かれるなんて不可能。
だから、気負いすぎず、軽やかに話せばいいのだと、背中を押してくれる一冊です。
話すことが怖くなくなる。そんな気持ちにさせてくれる
難しい理論や専門用語は一切なし。
漫画とともに「できそう」と思える方法が描かれていて、「今日からちょっと試してみようかな」と思わせてくれます。
たったひとつ、「話を聞いて、質問するだけ」。
でもそれができるようになれば、会話はもっと楽しく、気楽なものになるのかもしれません。
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