「言葉が出てこない」モヤモヤをなくしたくて
言いたいこと、伝えたい気持ちはあるのに、うまく言葉が出てこない。
自分の知っている似たような言葉で済ませてしまい、本当に伝えたいことが相手に届かない——。
そんな状態をずっと抱えていました。
SNSの投稿、日記、仕事のちょっとした発言すら、どこか自信が持てない。
「この表現で合ってる?」「もっとピッタリな言葉があるはずなのに……」と、言葉選びで立ち止まってしまうことが多かったのです。
そんな自分を変えたくて、「考えをうまく言葉にする力を鍛えたい」と思い手に取ったのが、
ひきたよしあきさんの著書、
『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』でした。
博報堂スピーチライター直伝の“ことばのトレーニング”
著者のひきたよしあきさんは、博報堂で長年スピーチライターとして活躍されてきた方。
多くの経営者や政治家の言葉づくりをサポートしてきた実績を持ち、「人の心に届く言葉」とは何かを実践的に教えてくれます。
本書は、そんな著者が考案した「5日間で言葉の壁を突破するトレーニング」を紹介するものです。
5日間の内容は以下の通り:
- Day1:思考を見える化する
- Day2:問いを立てて深く考える
- Day3:ロジカルに整理する
- Day4:表現力を磨く
- Day5:伝える力を完成させる
それぞれに短時間でできる「問い」や「実践ミッション」が用意されており、
読むだけではなく、実際に手を動かしながらことばの筋トレができます。
印象に残った言葉:「いい問い」がいい言葉を生む
自分がなぜ言葉に詰まるのか?
それは、「何を言いたいのか」が自分の中で整理できていないからだと気づかされました。
言葉のセンスではなく、問いを立てて考える力こそが大事。
たとえば、「なぜ私はこの本を読もうと思ったのか?」「この本で得たいものは何か?」
そんな問いを立てるだけで、自分の考えがクリアになり、自然と言葉が湧いてくる感覚がありました。
気になった3つのポイント
読み進める中で、「これはすぐ実生活に活かせる」と思ったポイントが3つあります。
① 物事を別視点で見て、考える
ひとつの出来事を、違う立場から見直す練習。
たとえば「相手がどう感じるか」「逆の立場だったらどうか」など、視点を変えるだけで、言葉の選び方も変わってきます。
これは文章表現だけでなく、人とのコミュニケーションにも役立つ考え方でした。
② ゴールから逆算して考える
言いたいことを先に決めて、そこに到達するために「何が足りないのか?」を考える。
この“逆算の発想”は、会話でも文章でもブレずに伝えるために非常に有効です。
「ただ書く」「なんとなく話す」から脱却できる方法でした。
③ 40文字以内でまとめる力を鍛える
SNSの投稿や見出しを書くときにも使えるテクニック。
40文字以内に収めるトレーニングを通じて、無駄な言葉が削ぎ落とされ、本当に伝えたいことが際立ってきます。
これが想像以上に難しい。でも、やってみるとクセになるくらいおもしろいです。
読んで実感した“変化の種”
この本を読んで、私はさっそく日記の書き方を変えてみました。
一文一文に「なぜそう思ったか」「本当に言いたいのは何か」を問いかけながら書いてみる。
すると、これまで曖昧だった感情が、少しずつ“言葉”として形になっていきました。
読書感想文もそうですが、「何を書けばいいか分からない」状態がなくなるだけで、表現がどんどん楽しくなっていきます。
こんな人におすすめ
- 「言葉に詰まる」「うまく言えない」と感じている人
- 会話やSNS投稿、ブログで言いたいことがまとまらない人
- 表現力を磨いて、相手に“伝わる”話し方や書き方を身につけたい人
この本は、表現技法を学ぶ本ではありません。
「考えを整理し、正確に伝える力」を5日間で実感させてくれる、**言葉に悩むすべての人のための“実践書”です。
おわりに:言葉が変わると、自分が変わる
言葉は、自分自身を表す道具。
うまく言えないことで、伝わらないことで、自分を小さく感じてしまうこともあります。
でも、考え方ひとつ、問いの立て方ひとつで、言葉は大きく変わる。
そして、言葉が変わると、自分の見える景色や人との関わり方も変わってくる。
この本は、そんな“変化のきっかけ”をくれる一冊でした。
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